「木下の森」とは
熱帯雨林再生活動「木下の森」とは
日本は国土面積の67%を森林が占める森林大国です。しかし、戦後、経済合理性を求め、安い木材を海外(主に東南アジア、中国)からの輸入に頼るようになったことで、世界でも有数の木材輸入国となっています。その中でも、床や壁材等に使用される合板の半分以上がマレーシア・ボルネオ島サラワク州の森林から供給されたものであり、現在も日本がサラワク産合板の輸入国として多くを消費しています。
このように身近に存在する環境破壊を社員一人ひとりが再認識し、熱帯雨林の保全と地球温暖化防止に寄与すべく、2007年、サラワク州にあるアペン保護林内(2016年12月に国立公園/永久保護区へと昇格)において、「木下の森」植林プロジェクトを開始しました。
「木下の森」では、2007年から10年計画で、かつて伐採が行われた二次林地域において、地域住民の方々にご協力をいただきながら植林活動を実施してきました。植林した樹種は、東南アジアの熱帯雨林を構成するフタバガキ科等在来種で、主にエンカバン・ジャントン、カポール・ブキット、メランティ・サラン・プナイ、スランガン・バトゥ、そのほかに、地域住民が森を活用し、持続的な活動ができるように、有用樹種としてゴムノキを一部混食したほか、在来果樹のドリアン、タラップ、スターフルーツ、ランブータン、プタイなど、10年の活動で、303ha分(およそ東京ドーム64個分)計63,374本の植林を行いました。
「木下の森」樹木の成長の様子
2017年より、「木下の森」において、活動地域の小中高生や大学生が植林作業に参加しながら森林保全について学ぶ「青少年研修プログラム」を実施しています。このプログラムを通じて、2022年までにのべ725名の青少年が「木下の森」を訪れ、在来種や果樹の苗木8,610本(約10ha)の植林を行い、2007年からの植林総数は71,984本となりました。2019年からは、「木下の森」植林プロジェクトとして、マレーシア半島部クダ州ムルボック湿地保護林において、マングローブ林再生のための植林活動を開始し、地域の人々と協働して、2022年までに21,500本(約5ha)のマングローブ植林を行いました。「木下の森」は、マレーシア・ボルネオ島内陸部の熱帯雨林と半島部沿岸部のマングローブ林の再生を両輪として活動を続けています。
ボルネオ島とは
ボルネオ島は、インドネシア、ブルネイ、マレーシアの3国にまたがる赤道直下の島で、世界屈指の多様さを誇る熱帯林に覆われています。日本の約2倍の面積を誇り、世界で3番目に大きなこの島は、「生命の宝庫」とも称されるほど多種多様な動植物が生息しています。
約30年前には、地球上でもっとも手つかずの場所とされていたボルネオ島ですが、森林伐採や、農地転換などにより、急激な熱帯雨林の減少が問題になっており、特にサラワク州がもっとも深刻といわれています。